今が最盛期、紅葉を見ようとたくさんの方で賑わうホワイトロードは、日本の『日本紅葉の名所100選』にも選ばれているのはご存じかな? そこで、今回はホワイトロードの紅葉の魅力とその美しさの理由について話してみようかの。
ホワイトロードの紅葉の特徴としては
- 変化に富んだ色や構成
- 長い期間見頃が楽しめること
- 色が鮮やかなこと が上げられるんじゃ
1の変化に富んだ色や構成の理由としては、
沿線にある森が、この道路が造られる以前も今も人の手が全く入っていない、しかもそのほとんどが白山国立公園のまん中を走っているためにその後の開発も最小限に制限され保全されてきた、まさに原生林中の原生林、“無垢の森”であることが上げられるんじゃ。
このため様々な種類の樹や草花が自然のままに入り混じり、まるでパッチワークのように生えておる。これが秋になるとそれぞれに違った赤や黄色に色づき、ツガやヒノキ、ヒメコマツといった針葉樹の緑と相まって、変化に富んだ他では見られないようなグラデーションと豊かな色彩に彩られるんじゃよ。
通称ダックリは岩場の灌木、草本が赤く色づく
2に上げたように、
ホワイトロードの紅葉は長く楽しめることでも知られておるな。
早ければ9月終わり、近年では10月上旬頃と中部地方でも最も早く色づきが始まり、11月10日、道路が冬期閉鎖に入るまでの1ヵ月間、非常に長い期間楽しむ事が出来るのも特徴なんじゃ。道路の標高が約600mかあら最高地点の三方岩駐車場で1,450mとその差が約900m近くもある。三方岩岳山頂付近で始まった紅葉が約1ヵかけて場所を変えながらゆっくり山を下りてくるんじゃな。
つまり10月から11月までの間、訪れたお客さんははずれ無しで道路内のどこかで見頃の紅葉を見ることが出来るんじゃ。
せっかく紅葉を見に来たのにちょっと早すぎてまだ青かったとか、遅くて既に見頃を過ぎていたなどといったことが無いんじゃよ。
3のホワイトロードの紅葉が色鮮やかな理由じゃが、道路の多くの区間で蛇谷川の深い渓谷やその支流に沿って走っていること、その周辺は急峻な崖、岩壁に囲まれていることが上げられるぞ。
一般に紅葉の色づきや鮮やかさを決める条件としては、
・日照時間
・木々の水分状態
・温度差
この三つがあげられるんじゃが、
ハウチワカエデの鮮やかな赤
暑い夏でも葉が適度の水分を保ち、枯れたり乾きすぎたりすることなく十分な日光を浴びて、秋、朝晩の寒暖の差が大きくなると一気に色づき始めるというわけじゃが、蛇谷川の流れや、夏でもこの一帯にかかる霧が常に木々の葉に適度な水分を運ぶ、岩壁は日中は焼けて熱いが夕方になれば冷えて寒暖差が大きい。あとは夏に十分な陽射しさえあれば、美しい紅葉になる条件がそろうんじゃよ。
ホワイトロードにはこうした紅葉に適した条件がどれもそろっていると言えるんじゃな。
今年の夏もとても暑かったが、その分十分な日照があった、台風による被害も思ったほど大きくは無く、紅葉の始まりは少し遅れたものの10月に入っての冷え込みで一気に色づきが進んだせいか、例年になく赤い色が目立つ鮮やかな紅葉が見られておる、皆さんもぜひ出かけてみてはどうかの。わしも待っておるぞ。
↑もしかしてカモシカおじさん?