ホワイトロードの冬期閉鎖、早すぎない?
皆さんの中にも、「ホワイトロード、11月10日の冬期閉鎖ってちょっと早すぎない?」と思っている方が多いんではないだろうか。
このブログを書いている11月下旬に入っても、「今日ホワイトロード通りたいんですが・・・通れますか?」のお電話を日に10件以上もお受けすることがあるんじゃが、そこで、その理由について書いてみたいと思うぞ。
<紅葉の見頃>
これを書いている23日現在、ニュースでは県内の紅葉の名所や京都が紅葉の見頃を迎えているとのニュースが流れておるようじゃが、ご存じのようにホワイトロードでは、早い年は9月下旬から、遅くとも10月上旬には色づき始め例年、最も見頃となるのが10月下旬頃、11月に入ると見頃の区間はすっかり山を下りてきて料金所あたりまで来てしまうことが多い。今年は例年よりかなり遅かったんじゃが、早い年には11月上旬にはすっかり紅葉も見頃を過ぎ、葉の散った冬景色のような林ばかり・・・という状態になっていることも多いんじゃ。
<初雪、初積雪>
今年のホワイトロード、道路内の初雪は11月15日、道路上への初積雪も同日と有料区間の閉鎖から1週間もたたないうちじゃった。
実はこれでもこの10年間でも最も遅く、過去10年では11月上旬冬期閉鎖に入る前に道路上に積雪があった年が6回もあるんじゃ。ここ2年は10月31日にはもう積もっているんじゃ
供用期間中であれば、管理事務所は除雪車を入れて除雪作業を行って安全を確認してから通ってもらっているんじゃが、当然利用者の皆さんは普通タイヤで来られているから、安全には万全を期す必要がある。それでもわしは内心ひやひやしながら見ておる。
最高地点の標高が1400mもあるホワイトロードでは、紅葉の見頃もそうじゃが秋の訪れ、冬の到来が平地より1ヵ月以上も早く進んでいるんじゃよ。
<冬支度>
ホワイトロードには車の安全施設として、ガードケーブルやガードレール、カーブミラー、標識などが設置されておるな。
実はこれらは一般の道路と違って道路が閉鎖されると全て撤去されたり、支柱を外したりケーブルをゆるめたりしていることは皆さんにはあまり知られておらんと思う。他にも利用する人のために木製の安全柵や緊急電話、公衆電話、トイレ、滝や白山の解説板も設置されておるが、これらもほとんど全て撤去して移動させるか、頑丈な雪囲いで覆わなければいかん。トイレやトンネルの電源となるソーラーパネルも全部外して片付けてしまうんじゃ。
なぜかって?ホワイトロードは冬期間、場所によっては6メートルを超えるといわれる積雪のある豪雪地帯にある。そしてその積雪は春が近づくにつれだんだん高さと重みを増し、斜面からは何度も雪崩が斜面や道路を襲う。仮にそこにガードレールや標識が残っていれば、雪融けの頃には折れ曲がるか引き倒されるかあるいは雪崩とともに谷底までさらわれて消えてしまうんじゃ。雪の重さだけではなく固まり沈み込んでいくときの沈降圧、斜面をじわじわと滑る匍行力、雪崩の衝突する力は想像できないほど強いものなんじゃ。
だから道路内にあるほとんどの工作物はこれを取り外し、こうした雪の影響を受けないトンネルや下の方の倉庫の中にしまわないといけない、これが大変な作業なんじゃよ。
こうした施設の撤去、冬支度は道路が閉鎖されると同時に急いで行わないといけない。もし全ての冬支度が終わる前に大きな積雪があり根雪となればもはやホワイトロードへ向かう手段は無くなる。だから根雪となる前に雪と競争で冬支度を進めて少しでも早く終わらせなければいけないんじゃ。
<まとめ>
ここまで話してきたようにホワイトロードは紅葉の見頃が平地とは違いずいぶんと早い、と同時に冬の訪れも早い、紅葉時期が終われば少しでも早く道路を閉めて冬支度に入り終わらせないといけないんじゃ。これがホワイトロードの冬期閉鎖が早い理由なんじゃよ。少しはおわかりいただけたじゃろうか。
さあ、わしはクマさん達と違って冬眠こそしないが、もうじき来る厳しい冬の備えて良い冬越しの場所を探さんとな。
そうそう、仲間の多いブナオ山辺りにでも移ろうかのう。