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親谷の噴泉塔を紹介しよう!

ユネスコ世界ジオパークに認定された白山手取川ジオパーク、前回はホワイトロードの中に数多いジオサイトの中から、いくつもある大きな滝について話したが

まさにジオサイトというべき珍しいものとして、親谷の湯近くにある噴泉塔について紹介しようかのお

 

噴泉塔というのは、地中から噴き出す温泉、熱水に含まれる成分が空気に触れ、沈殿物となり、それが固まって長い年月の間に塔のような形状になったものを言うんじゃ

温泉は日本各地にあるが、噴泉塔は珍しく、しかもその高さが1mを越えるものは世界的のにも非常に珍しいそうじゃ

親谷には河岸や川底に何カ所も熱水の吹き出す箇所があり、現在、その一つがキレイな噴泉塔になっている

特にここの噴泉塔は成長が早いのが特徴で、今の場所に初めて噴泉塔らしきものが見つかったのが約10年前、2012年頃じゃった

河岸の砂の中からポコポコ熱水が湧き出している、ほとんどが砂利に埋もれた噴泉塔らしきものが見え、

まわりの砂利を取り除いたところ、岩の上にちょこんと盃の様な突起があってその頭から湯気と熱水が噴き出していた

2014年7月頃

 

その当時はまさかこんなに大きな噴泉塔になるとは想像もしなかったんじゃが、あれよあれよと予想を超える速さで成長を続け、

もっとも高くまで伸びた2020年には高さは1mを超え、塔というよりまるでロケットのような姿にまでのびたんじゃ

 

2020年5月、まるでロケットのよう

 

ところが、噴泉塔の宿命というか、高さが低い間はてっぺんから勢いよく噴き出していた熱水も、圧力が足りなくなるせいか、背が伸びるほどに弱くなり、そうすると劣化が進みもろくなる。2021年の春、雪解けとともに見に行ってみると根元からポッキリと折れてしまっていたんじゃ

 

2021年春、折れてしまった噴泉塔

 

せっかくこんなに大きくなったのにと残念じゃったが、よく見ると折れた部分にはもう新しい塔が伸び始めておった

その後、この小さかった塔もみるみる成長し、丸いドームのように、あるいは釣鐘のように形を変えながら成長を続けておる

今年8月現在、高さ約50cmくらいになっておる

 

2022年6月、折れてからわずか2年でこの大きさに

 

 

2023年5月、釣鐘型に成長

 

 

2023年8月、先が少しとがり富士山のような形に

 

とにかく成長の早いのが親谷の噴泉塔の特徴なんじゃ、姥ヶ滝、親谷の湯を訪れた方でも噴泉塔があることを知らずに戻られる人も意外と多い

滝の先に続く歩道を進んだ先にあるが、河原へ降りる階段の下は大きな石がごろごろしているので、転ばぬよう足元に十分注意してほしい

また、先っぽから出ている熱水には触らないように、温度90度以上もあるから、触るとやけどするぞ

 

ホワイトロードへ来て、蛇谷園地へ降りたのなら、

せっかくなので、この珍しい”モノ”を見て言ってほしい

 

 

塔の先には熱水の吹き出す穴がある